アイルランドでの生活や旅行において、バスは主要な公共交通機関の一つであり、便利な移動手段です。しかし、日本のバスとは異なる点が多く、初めて利用する際には戸惑うこともあるかもしれません。
本記事では、バスの基本的な乗り方に加え、便利な情報や現地ならではの体験談を交えてご紹介します。また、旅の楽しみ方やおすすめのバスルートについても取り上げます。
1.アイルランドのバスの特徴

アイルランドのバスは、大きく分けて、都市部を走る路線バスと、地方を結ぶ長距離バスの二種類があります。
都市部を走る路線バスは、2階建てのバスが多く走っています。
【主なバス会社】
| 会社名 | 概要・主な行先 | ||
|---|---|---|---|
| 1 | ダブリンバス (Dublin Bus) |
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ダブリン市内と周辺エリアを運行する、主要な路線バス会社。 |
| 2 | ゴーアヘッドアイルランド (Go-Ahead Ireland) |
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ダブリンバスと同様にダブリン周辺をカバーするが、別会社。 |
| 3 | ダブリンエクスプレス (Dublin Express) |
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ダブリン空港と、ダブリン中心部およびベルファストの中心部を結ぶ、高速バス。 |
| 4 | エアコーチ (Aircoach) |
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ダブリン空港と市内中心部をはじめ、コーク(Cork)、ベルファスト(Belfast)、ゴールウェイ(Galway)など、アイルランド各地を結ぶ長距離バス。 |
| 5 | バスエールン (Bus Éireann) |
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コークの主要な路線バスや、アイルランド全土を結ぶ長距離バス。 |
| 6 | シティリンク (Citylink) |
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ダブリンとゴールウェイ、コークなどを結ぶ高速バス。 |
♦ アイルランドの交通系ICカード「Leap Card(リープカード)」

リープカード(Leap Card)は、アイルランドの主要都市(ダブリン、コーク、リムリックなど)で使える交通系ICカードです。日本のSuicaやPASMOのようなものです。バス、電車(DART)、路面電車(Luas)など、さまざまな公共交通機関で利用可能で、現金での支払いよりも通常30%ほど割安になります。また、一日や一週間単位で一定金額以上の運賃が課金されないキャップ料金制度もあり、たくさん乗れば乗るほどお得感があります。
▶ Leap Card(リープカード)が使えるバス
Leap Card は、基本的に都市部や近郊のバスでの利用がメインですが、一部の長距離バスでも使える路線があります。
✅【Leap Cardが使える中・長距離バス】
・Bus Éireann(バス・エールン)(※一部路線のみ)
・Go-Ahead Ireland(ゴー・アヘッド・アイルランド)(※一部路線のみ) など
❌【Leap Cardが使えない長距離バス】
・Aircoach(エアコーチ)(ダブリン空港~都市間の高速バス)
・Citylink(シティリンク)(ダブリン~ゴールウェイ、コークなど)
・JJ Kavanagh & Sons(JJカヴァナー&サンズ)(地方都市間の長距離バス) など
▶ Leap Card(リープカード)が使えるバスか見分ける方法
実際に、Leap Cardが使えるバスかどうかを見分ける方法は、以下のポイントをチェックすると分かりやすいです。

① バスのフロントガラスや車体のステッカー
・「Leap Card Accepted」 や 「TFI Leap」 のロゴが貼られている。
・Bus Éireannの一部長距離バスなどでは、車両前面またはドア付近にLeap Card対応のステッカーが貼られていることがある。
②バスの公式アプリ・ウェブサイト
・Bus Éireannの公式サイトで各ルートの支払い方法を確認できる。
・Dublin BusやGo-Ahead Irelandの路線は、公式サイトに「Leap Cardが利用可能」と明記されている。
▶ Leap Cardが使えない場合は、どうやって支払うの?
一部のローカルバスや、一般的な長距離路線バスでは、Leap Cardでの決済ができない場合があります。
一部のローカルバスについては、現金でのみの決済になる場合が多いです。
一方、長距離路線バスでは、事前のオンライン予約や、車内にて、デビット/クレジットカード、Apple Pay、Google Payによるタッチ決済により、運賃を購入します。
【タッチ決済が可能な長距離バス便】
・Aircoach
・Expressway
2.ダブリンの路線バス

ダブリンでは、「Dublin Bus」が主要な路線バスとして機能しています。
市内を網羅する100以上の路線があり、市民や観光客の移動手段として広く利用されています。
(1) 料金
Leap Card(リープカード)【推奨】
| Leap Card (リープカード) |
アダルト | ヤングアダルト 学生 |
チャイルド |
|---|---|---|---|
| Short | €1.50 | €0.75 | €0.65 |
| TFI 90 Minute | €2.00 | €1.00 | €0.65 |
| X Services | €2.40 | €1.20 | €1.00 |
| Irish Rail Zone 5 | €3.00 | €1.50 | €0.65 |
| Irish Rail Zone 6 | €3.90 | €1.95 | €0.65 |
基本料金は、黄色マーカーの「TFI 90 Minute」です。
90 minuteとの記載がある通り、一旦打刻すると、そこから90分以内は、バス・DART(電車)・LUAS(トラム)は乗り放題になります。
バス乗車時、短距離での移動であれば「Short」料金になります。
現金
| Cash (現金) |
アダルト | チャイルド |
|---|---|---|
| Short Fare | €2.00 | €0.90 |
| Long Fare | €2.60 | €0.90 |
運転手に行き先を伝えて支払う。
ただし、バスの車内では両替ができず、お釣りがその場では出ないので要注意!
(お釣りの引換券をもらい、別途センターを訪れ、お釣りをもらう、という非常に煩雑な流れとなります・・・。)

リープカードでの支払いが断然お得です!
(2) 観光に便利なバス路線の紹介
① Dublin Bus(ダブリンバス)
- 46A:市内の主要エリアを通る便利な路線。
- 16:空港から市内に直接行ける。
- H2、H3:美しい海辺の街、Howth(ホウス)行きバス。
② 市内ツアーバス
- Hop-On Hop-Off Dublin
- DoDublin Tours
3.コークの路線バス
コークでは、「Bus Éireann(バス・エールン)」が主要な路線バスとして機能しています。
(1) 料金
Leap Card(リープカード)【推奨】
| Leap Card (リープカード) |
アダルト | ヤングアダルト 学生 |
チャイルド |
|---|---|---|---|
| 0-11 stages | €1.35 | €0.65 | €0.65 |
| 12+ stages | €1.55 | €0.80 | €0.65 |
現金
| Cash (現金) |
アダルト | チャイルド |
|---|---|---|
| 0-11 stages | €1.90 | €0.90 |
| 12+ stages | €2.20 | €0.90 |
運転手に行き先を伝えて支払う。
ただし、お釣りがその場では出ないので要注意!

リープカードでの支払いが断然お得です!
4.中・長距離バス
アイルランド全土を結ぶ「Bus Éireann」や、ダブリンと地方都市を結ぶ「Citylink」などがあります。
ダブリン空港から、各地につながる高速バスもあります。
人気路線は満席になることもあるため、オンラインでの事前予約がおすすめです。
【ダブリン発 おすすめの中・長距離バスルート(観光地)】
| 行先 | 観光地の概要 | 運行会社 | 所要時間 |
|---|---|---|---|
| Galway (ゴールウェイ) |
西海岸の活気ある街。パブや音楽が魅力。クリフトンやコネマラ観光の拠点。 | Citylink | 約2時間30分 |
| Cliffs of Moher (モハーの断崖) |
大西洋に面した高さ約200mの断崖絶壁。アイルランド屈指の絶景スポット。 | Bus Éireann | 約3時間30分 |
| Glendalough (グレンダーロッホ) |
6世紀に建てられた修道院遺跡と美しい湖がある自然豊かなエリア。ハイキングコースも充実。 | St. Kevin’s Bus | 約1時間15分 |
| Cork (コーク) |
アイルランド第2の都市。英語学校も多く、美食の街としても知られる。近郊にはブラー二ー城がある。 | Aircoach | 約3時間 |
| Belfast (ベルファスト) |
北アイルランドの首都。タイタニック博物館やウォールアートが見どころ。 | Aircoach Translink |
約2時間半 |
| Giant’s Causeway (ジャイアンツ・コーズウェイ) |
北アイルランドにある、世界遺産にも登録された奇岩群。柱状節理の景観が特徴。 | Translink (+ツアーバス) |
約3時間30分 ※ベルファスト経由 |
5.バスの乗り方
① 乗車前のポイント

・バス停の標識がシンプル:ポールと番号のみのバス停が多い。
・主要停留所などには、電光表示板もある。
② 乗車時のポイント

・バスが来たら手を挙げて停める(意思表示しないとスルーされる可能性あり)。

・前方のドアから乗車。

・料金は先払い。
【例:ダブリンバスの場合】
・Leap Cardで払う場合、通常乗車口右側のカードリーダーにLeap Cardを数秒タッチする。
・短距離であれば、運転手に行き先を伝え、運転手横のカードリーダーでLeap Cardをタッチする。
・現金の場合は、運転手に行き先を伝え、運賃を支払う。
③ 車内での注意点

・路線バスは、2階建てバスが多いが、階段が急なため、手すりをもって上がるなどの注意が必要。
・2階部分で立っての乗車はできないため、2階席が満席であれば、1階で立って乗車する。
・優先席の利用は、積極的な譲り合いの精神で。
④ 降車時のポイント

・降りたい停留所の手前で降車ボタンを押す。
・長距離便は、事前に降車したい場所を運転手に伝える必要がある場合も(運転手に聞かれたりします)。
・降車時に「Thank you!」と運転手にお礼を言うのが一般的。
6.アイルランドのバス事情
(1) バス停に時刻表がない場合が多い
主要停留所でない場合、ポールと番号のみのバス停が多いです。
(2) 時間通りに運行されない
・遅延しやすい時間帯
- ラッシュアワー(朝8:00~9:30、夕方17:00~19:00)
- 雨の日(交通渋滞が発生しやすい)
- イベント開催日(コンサートや試合の日は混雑)
・早発することもあるので注意
アプリでリアルタイムの運行状況を確認しながら、余裕を持って行動するのが重要です。
(3) 運転手に挨拶
フレンドリーな運転手が多く、乗車時に「Good morning!」、降車時に「Thank you!」と挨拶するのが一般的。
(4) おしゃべり好きな乗客
知らない人に話しかけられることもあり、会話が続くことがよくあります。
7.バス利用に便利なアプリ
(1) TFI Live
公式アプリで、バスの運行状況をリアルタイムで確認可能。
(2) Leap Top-Up
Leap Cardのチャージができる便利なアプリ。
(3) Next Bus Dublin
バスの到着時間や路線情報をリアルタイムで確認可能。
(4) Citymapper
バスの到着時間や路線情報をリアルタイムで確認可能。
まとめ
アイルランドのバスは日本とは違う点が多いですが、慣れればとても便利な移動手段です。また、長距離のバス旅では、緑豊かな田園風景や海岸線の絶景を楽しめるのが魅力。
アプリを活用しながら余裕を持って移動すれば、快適に利用できます。観光や日常の移動に、ぜひバスを活用してみてください!











