アイルランドに長期滞在する方にとって避けて通れない、「ビザ(Visa)」・「スタンプ(Stamp)」について、ご紹介します。

アイルランドへの移住が決まり、渡航・移住の準備のために情報収集をする中で、他の国と比べて、情報がどうしても少ないことから、「ビザ(Visa)」の面では、混乱する点もありました。
いわゆる「ビザ(Visa)」って、滞在許可まで含まれていると想定しながら情報収集をしているのに、アイルランド移民局のHPでは、滞在許可に関する手続きでは、「ビザ(Visa)」ではなく、「スタンプ(Stamp)」という表現がメインで出てくる…!
しかも大使館HPには「ビザは不要」とまで書かれているし。でも、日本人の皆さんは結構、「留学ビザ」「ワーホリビザ」「就労ビザ」と表現したりしている。ビザじゃないのー?と混乱。
そこで、ここでは、アイルランドの「ビザ(Visa)」および「スタンプ(Stamp)」について、解説できればと思います。
※本記事の内容は一般的な情報であり、最新かつ正確な情報はアイルランド移民局の公式サイト等でご確認ください。

アイルランド渡航に向けてやるべきことをまとめた記事はこちら👇
観光・短期滞在(90日以内)する場合

日本人がアイルランドに、観光・短期滞在(90日以内)する場合、通常ビザや滞在許可等は不要です。
短期留学であっても、90日以内であれば、ビザや滞在許可等の取得の必要はありません。基本はパスポートのみで入国可能です。
長期滞在(90日以上)に必要な、ビザ・スタンプについて

一方、90日以上滞在する場合は、「学生ビザ」、「ワーキングホリデービザ」、「就労ビザ」などのビザが必要となります。
正確に表現すると、「学生スタンプ」、「ワークパーミットスタンプ(ワーホリも含まれます)」などのスタンプが必要になります。
なお、移民局のHP上では「more than 90 days」と表現されていますが、90日ちょうどの滞在も長期滞在に分類されることが多いようです。日数についての正確な情報は、各大使館、移民局等へお問い合わせの上、各自でご確認ください。
ビザについて
ビザ(査証)とは、パスポートなどの渡航文書に添付され、その個人がアイルランドの港や空港への上陸が許可されていることを示す証明書です。すなわち、ビザは、アイルランドに入国するための渡航許可証です。
ただし、日本は、ビザ免除国のため、日本国籍の方は、短期・長期滞在に関わらずビザは不要です。つまり、アイルランドに渡航するために、事前にビザを申請する必要がありません。
(Source:在日アイルランド大使館HP)
>>でも、みなさん「留学ビザ」とか「ワーホリビザ」とか言いますよね?
確かに「ビザ不要」と言われながら、「留学ビザ」、「ワーキングホリデービザ」、「就労ビザ」という言葉が使われるのは混乱しやすいですよね。
結論から言うと、「アイルランドは日本人にビザ(Visa)を求めないが、長期滞在するには別の手続きが必要」ということです。
そして、アイルランド渡航にあたり、一般的に「ビザ(Visa)」と言われているものの多くは、実際には「滞在許可(Permission to Remain)」や「スタンプ(Stamp)」、あるいは、これらを取得するために事前に取得が必要となる、学校や就業場所経由で入手するレターなどを指しているケースが多いです。
>>なんで「ビザ(Visa)」と表現するの?
日本人がアイルランド渡航にあたり、「留学ビザ」「就労ビザ」という言葉を使う理由は、他の国(例:アメリカ、イギリス、オーストラリア)では必要となる、ビザ申請と内容が類似するからです。
例えば:
・アメリカの学生ビザ(F-1)や就労ビザ(H-1B) → 出発前に大使館で申請&発給が必要。
・イギリスのTier 4学生ビザやTier 2就労ビザ → 渡航前に取得必須。
これに対して、アイルランドでは、
➡ 日本人は事前にビザを取らなくても入国できる。
➡ ただし、90日以上の滞在を希望するなら、入国後にIRP登録して滞在資格(スタンプ)を得る必要がある。
➡ 滞在資格(スタンプ)を入手するための、入学許可証、ワーキングホリデー許可証、就労許可証(Work Permit)などは、事前に日本などで入手する必要がある。
➡ 長期滞在予定者は、入国時に、滞在目的を申告の上、入学許可証、ワーキングホリデー許可証、就労許可証など必要書類を提示した上で、入国許可を得る(入国スタンプを押してもらう)必要がある。
➡ 実際には、「ビザを取得する」というよりも、「滞在資格を取得する」イメージに近い。

日本人にとっては「長期滞在のために必要な手続き=ビザ申請」と考えることに馴染みがあるため、「アイルランドの就労ビザ」「アイルランドの留学ビザ」という言葉が便宜上使われるんですね。
(参考:他国との比較)
| 項目 | アメリカ・イギリスなど | アイルランド(日本人の場合) |
|---|---|---|
| 渡航前のビザ申請 | 必要(大使館で申請) | 不要(日本人はビザ免除国) |
| 入国審査 | ビザがあれば基本的に通過できる。 | その場で入国許可を受ける必要がある。 |
| 長期滞在の手続き | 事前にビザを取得(例:学生ビザ)。 | 入国後にIRP登録して滞在資格(スタンプ)を得る。 |
ビザ(Visa)≒「スタンプ(Stamp)」と考える
先ほど「アイルランドは日本人にビザ(Visa)を求めないが、長期滞在するには別の手続きが必要」ということをお伝えしました。
この「別の手続き」というのが、「長期滞在者は滞在許可を得る必要がある」ということになります。
すなわち、長期滞在者は、アイルランド入国後に「IRP(Irish Residence Permit / 滞在許可証)」を移民局などで取得する必要があります。これは、アイルランド国内での合法的な滞在を証明するもので、学生、就労者、家族とともに滞在する方など、さまざまな目的で長期滞在する人々に発行されます。
(Source:移民局HP)

このIRPを取得する際、パスポートに「スタンプ(Stamp)」が押されることで、一定期間まで、アイルランド国内での長期滞在が許可されたことを証明できます。
すなわち、「スタンプを入手する」ことが、他の国でいう「ビザを入手した」とも言えます。
✓スタンプの種類によって滞在中の活動(就労の可否など)が異なります(後述参照)。
✓IRP取得に伴い、「IRPカード」を入手する(後日自宅へ郵送)ことになりますが、長期滞在者は、この「IRPカード」を携帯する必要があるとされています。
✓旅行などにより、アイルランド国外へ出国し、後日アイルランドに再入国する際は、この「IRPカード」を入国審査時に提示することになります。
✓滞在期間によっては、IRPを更新する手続きが必要となる場合があります(更新手続きは、オンラインで完結できます)。
スタンプ(Stamp)を入手する
スタンプ(Stamp)を入手するまでの流れ
例:就労者(Stamp1)の場合の一例
| タイムライン | |
|---|---|
| 日本出国前 | ①必要書類を提出の上、Work Permitを勤務先経由で取得。 |
| アイルランド入国時 | ①滞在目的を入国審査官に説明する(勤務先など)。 ②「Work Permit」「海外渡航保険証」「パスポート」など必要書類を提示。 ③指紋を登録。 ④パスポートにスタンプを押印され、滞在許可(この時点では3か月以内)がおりる。 |
| 入国後3か月以内 | 【アイルランド入国管理局にて外国人登録】 ①ISD(Immigration Service Delivery)のHP(Link)にて、入国管理局への訪問予約を申請。 ②予約完了後、メールを受領。 ③予約日時に、必要書類を持参(メールに記載。サイトでも確認可能)し、入国管理局へ。 ④入口横で受付番号チケットを機械で発行。 ⑤番号を呼ばれたら、窓口で必要書類などを提示、写真撮影、登録料(€300)をカード支払い。 ※場合によっては、ここで指紋を登録することもあるようです。 ⑥パスポートにスタンプ(Stamp)が押印され、滞在許可(スタンプによって、記載される滞在期限が異なる)がおりる。 |
| 後日 | ①約2週間程度でIRPカードが郵送される。 |
✓「留学プログラム」「ワーキングホリデー・プログラム」などで、日本で準備する書類や準備過程は異なりますが、大まかな流れは同様です。
✓ISDでの予約について、予約日まで日数がかかってしまうこともあるため、アイルランド入国後、なるべく早めに予約をとることをオススメします。
▽ noteに、駐在妻の私がIRPを取得したときの話を残したので、こちらもご覧ください。
スタンプを入手するために必要な書類など
長期滞在者は、それぞれの滞在目的や立場によって、その入手できるスタンプが異なりますが、それに伴い、各手続きにおいて、必要となる書類などが異なります。
ここでは、代表的な渡航目的ごとに、必要な書類などをご紹介します。
ただし、正確な情報は、移民局HPのサイト(Link)をご確認の上、ご自身の責任の上でご準備ください。
✓アイルランド入国時に必要な書類などは、入国前に日本にて取得し、印刷しておく必要があります。
1.就労者(Stamp1)
| タイムライン | 必要書類など |
|---|---|
| アイルランド入国時 に提示 |
①パスポート ②Work Permit、Employment Permit など ③海外旅行保険 |
| 入国管理局での手続き時 に提示 |
①「アイルランド入国時」に提示したもの + ②ISD予約時に受領したメールの打ち出し(必要事項を記載の上) ③€300(カードのみの支払い) |
2.就労者帯同家族(Stamp1G、Stamp3)
| タイムライン | 必要書類など |
|---|---|
| アイルランド入国時 に提示 |
①パスポート ②就労者のWork Permit、Employment Permit など ③海外旅行保険 ④就労者との家族関係を証明できるような書類があるとベター(戸籍謄本、婚姻証明書/英訳されているものがベター) |
| 入国管理局での手続き時 に提示 |
①「アイルランド入国時」に提示したもの + ②ISD予約時に受領したメールの打ち出し(必要事項を記載の上) ③就労者のIRPカード(当日、就労者本人にも同席してもらう) ④€300(カードのみの支払い) |
3.ワーキングホリデー・プログラム(Stamp1)
| タイムライン | 必要書類など |
|---|---|
| アイルランド入国時 に提示 |
①パスポート ②ワーキングホリデー許可証 ③海外旅行保険 |
| 入国管理局での手続き時 に提示 |
①「アイルランド入国時」に提示したもの + ②ISD予約時に受領したメールの打ち出し(必要事項を記載の上) ③€300(カードのみの支払い) |
4.留学プログラム(Stamp2)
| タイムライン | 必要書類など |
|---|---|
| アイルランド入国時 に提示 |
①パスポート ②往復航空券(Eチケット) ③入学許可証 ④学費の支払証明書 ⑤残高証明書(英文)/滞在費支払証明書 など ⑥海外旅行保険 ⑦滞在先の住所 |
| 入国管理局での手続き時 に提示 |
①「アイルランド入国時」に提示したもの ※ISDのHP上では、残高証明書等は記載ありませんが、念のため持参するとベターです。 + ②ISD予約時に受領したメールの打ち出し(必要事項を記載の上) ③€300(カードのみの支払い) |
主なスタンプ(Stamp)の種類
スタンプ(Stamp)をパスポートに押印してもらうことで、長期滞在許可証明となることは、前述にて説明したとおりですが、長期滞在目的によって、入手できるスタンプの種類が異なり、それに伴って、就労や滞在条件等が異なってきます。
ここでは、主なスタンプ(Stamp)の種類をご紹介します。
Stamp 1:就労者・ワーキングホリデー向け
アイルランドで就労する方向けのスタンプです。海外赴任者や現地で働く方が対象となり、雇用主から何らかのWork Permit(就労許可)の取得が必要です。
ワーキングホリデーの方もこのスタンプが付与され、日本で事前にワーキングホリデービザを取得する必要があります。ワーキングホリデーの場合、週39時間までの就労が認められています。
Stamp 1A:会計士研修生向け
アイルランドの会計士資格を取得するための研修生に発行されるスタンプです。雇用主のもとで働きながら資格取得を目指します。
Stamp 1G:大学卒業生・一部配偶者向け
アイルランドの大学を卒業した方が、卒業後に就職活動を行うための滞在許可です。Work Permit取得までの期間に付与されます。
また、Critical Skills Employment Permitを保有する方の配偶者・パートナーもこのスタンプを取得でき、一定の条件下でフルタイム就労が可能です。
Stamp 2:学生向け
アイルランドで留学する学生向けのスタンプです。大学への留学期間中は有効で、語学留学生の場合は8か月間の滞在が認められます。語学コースでは25週の通学と修了後の試験受験が必要です。
スタンプ2を持つ学生は、週20時間までのパートタイム就労が可能で、ホリデー期間中は最大週40時間まで働くことができます。
Stamp 3:一般就労者の帯同者向け
Critical Skills Employment Permitを持たない一般就労者の帯同者や、アイルランドに留学する学生の配偶者・扶養家族向けのスタンプです。Stamp 3を持つ方はアイルランド国内での就労が認められていません。
Stamp 4:アイルランド・EU出身者の配偶者等向け
アイルランドまたはEU出身者の配偶者向けのスタンプです。
また、他のスタンプで一定期間(例:5年)滞在した後に切り替えが可能となる場合もあります。
Stamp 4を持つ方は、Work Permitなしで就労可能です。
まとめ
アイルランドで長期滞在する場合、スタンプの種類にも注意が必要です。特に就労の可否に関わる重要な要素となるため、自分の状況に合ったスタンプを把握し、必要な手続きを進めることが大切です。
| 項目 | スタンプ(Stamp) |
|---|---|
| 目的 | アイルランドでの滞在資格の証明 |
| 発行・取得場所 | アイルランド国内(IRP) |
| 日本国籍者の取得要否 | 90日以内滞在:不要 90日以上滞在:必要 |
| 関係する手続き | ・IRP登録されると付与される ・IRPカードの取得 |
| 滞在への影響 | スタンプの種類によって就労・滞在条件等が異なる。 |
最新情報はアイルランド移民局の公式サイトを確認し、適切な手続きを行いましょう。




